湯沢WS 二日目(3) 2005/10/07

敬称略.生ログなので,誤字脱字,勘違い,間違いがあるかと思いますが,ご容赦を.気付いたら,随時更新します.なお,秋山先生の講演内容は密度が濃かったため,ログの記録が最後まで追従できませんでした.ご容赦ください.

ユビキタスネットワークとセキュリティ 〜トレーサビリティを実現するユビキタス情報システム〜

秋山昌範 マサチューセッツ工科大学スローン校客員教授

2005/10/07

少し毛色が違うかもしれないが,佐々木先生と関連するかもしれないが,「アリバイ」ということで,一つのモデルとして考えていきたい.

印刷物は変わらない,ということを前提にしている.印刷したものは情報ではない.情報システムでは印刷しちゃいけない,(ミネラルウォータのボトルを指しながら) Evian というものは印刷物をみて,封が開けられて否けれいなければ,中身がEvian だと思うわけだ.

何かを認識して何かを行う.紙が電子媒体になっただけなので,うまく使えない.

キャンセルが多く出ることを前提.全員に周知徹底する.物を取り出す,運ぶための印刷物.医療だと処方箋.メセージングの直前でロックである.中止,返品,廃棄などを以下に減らすかというのが上手な医者.ここの部分が重要.一番無駄なく変更する医者がスキルの高い医者.

病気をした人が対象.病人の定義は入院したホテルのような環境で,明日には状況が変化するかもしれない人.米国の定義.本当に医療を必要としている人は絶対にキャンセルがある.キャンセルがないことを前提にしているので,IT 事故が増えている.

データロックをかけた後に 40% が変更がある.

第4次医療法改正
二十世紀まではなかった.病院のベッドの定義が 2001 年に大きく変わった.病院の入院期間を 32 日間を 10-14 日に平均で持って意向としている.1/3 にしてしまおうという政策誘導.

9万の診療所はほとんど入院しないl.
1998 年当時は...
病院の性格をはっきり分けてしまおう.診療所かかりつけ医,長期入院(療養型),急性期.

病院の入院患者の性格が変わる.30 日の構成 500 人は手術&術後.指示変更が多い.術前検査,歩行や食事ができる,指示変更がない.ここは米国では入院の定義ではない.
人間系で調べると 40% が入院するようになると,...

キャンセルを前提にしたシステムが必要.オーダリングシステム

意思は薬局にオーダー.データロック.前の日に締め切り時間がある.データロックされる.指示変更は当日の朝.朝の状態で指示を変えないと,患者がよくならない.この系だと人間系で伝達しているので,IT 事故が発生する.

今日の昼に薬を追加しましょう.手術のあとでガーゼが汚れたり,ドレインで液が出てくる.カリウムがたくさん逃げるが,口から入ってこないと,心臓が止まる.補充したいのだが,追加し続けるとまた心臓が止まる.塩化カリウムを急速にとると,これでも心臓が止まる.安楽死などに使われる.

翌日まで追加される.患者さんが亡くなる.

別オーだとして出す.従来は原本に追加していた.しかし,IT 化によって,原本が見れなくなってきた.

電子署名の欠点はリアルタイム性にかける.顔同士の認証,スタッフ同士の認証でうまくやっている.ペーパーレスがいいというわけではない.いかに多くの人に確実に伝えるか.

我々は 2 秒をリアルタイムと定義した.プロセスコントロールが重要.医療 IT では,予定伝票をそのまま実施したために失敗している.

医療行為そのものを認証していくことが必要.レセコンの発生源入力,ナースステーションや外来にもっていく.この発展系として電子カルテを作ったので失敗している.ナースステーションまでは事務処理.安全性,品質保証なので,品質管理のシステムである.普段,総務でやっていることを客先でやったら怒るでしょう.それを医療でやっている.安全面や経営面でやっていることを現場に持ち込むことではない.

リアルタイムが必要.伝票がなかった分のものをいかに電子化するか,プロセスをいかに電子化するか.


保険請求できない経費も管理.

1970 年代事務屋のシステム.

1999 年になって,電子カルテ.手術しているときにリアルタイムでもの書いていれば皆さん怒る.所詮,バッチ処理の空間.事務屋が来ない場所.そこの医療では,キーボードやマウスを使わない実施空間.空間をどう扱うか.

POAS は 1989 年に提唱.いつ,何を使って,何をしたか.単品管理.ある医療行為で Uniq ID で管理.携帯端末の開発.リアルタイム通信をするための端末.メモリ内には情報を残さない.バーコードを使ってデータベースの引き当て.商品名ではなく,個別のユニーク ID.

従来の 1000 倍くらいトランザクションが増える.SQL ではできない.全く新しいアーキテクチャ.情報の粒度.

注射処方箋.

ID と ID の組み合わせ.誰が何をやったか.をリアルタイムで処理.電子タグの失敗,秒間200トランザクション程度の処理が必要.データベースではない方からあがってくる.従来にはない考え方.実際にできるというので 2001 年から動かしている.

<映像>

100Base, 1800台.

今,市販されているものではキャッシュのために別データベースがひつようになる.ドクターが指示変更すると,シングルデータモデルで,二秒以内に担保されている.

2003 年度のデータ.データロック,印刷をした,24 % が変更.混ぜてから実施まで 15 % が変更.医療行為を実施したことをタイムスタンプで集計.

<記録中断 講演が早すぎて,頭と手がついていかない...orz>

終わり.

Q. 医療,環境の問題の観点からの破棄の管理はどうなっているのか?
A. 今はやってません.ただ,一般に市販されているもののバーコードは伝票認証なので,トレーサビリティはない.大事なことは,ポリエチレンのボトルの認証で,中身との紐付けが重要である.

Q. (宮川)実際にこういう大規模なシステムは反発が多いと思う.うまくそういうシステムを導入していくためのストラテジがあれば.
A. 2001年に拒絶反応.プレジデントの指示.反対派の婦長が有用性を納得してくれた.組織のコミュニケーションがうまくいけばいいのだが,1000 人を超える組織では車座ができない.どうやればよいか,答えを持っていない.1993年から初めて10 年.小さなところからこつこつと.

Q. システムのトラブルがシビアな状況.安全対策の考慮部分.
A. アベイラビリティがなければ動かない.ネットワークのシステムを継ぎ足し制で作っているからアベイラビリティがなくなる.MQ に物がたまらない.某G大学は失敗した.土管にしたので MQ があふれた.ネットワークを早くすればよいということではない.ネットワークを細くすれば良い.ボトルネックは入力.

Q. 情報の粒度.成分まで落ちているのか.
A. 粒度は複数のマルチなクラス設計で作っている.XML スキームをマルチで設計.このシステムはできる.

Q. 絶対落ちないシステムと言ってるが,落ちたときの訓練などが必要では.
A. 一年に一回訓練をしているが,止まる前後にみんなやってるので,効果的ではないかもしれない.

以上